看護師の仕事では、サービス残業が当たり前という風潮が残っています。そのため、残業代の請求が難しいケースも多く、結果として嫌々ながらサービス残業することもあるでしょう。特に看護業界では、前残業と後残業が残業代の出ない残業として有名です。
前残業とは、始業時間前に出勤して仕事に取りかかることを指します。前残業として多いものとしては、情報収集が挙げられるでしょう。あらかじめ患者の状態や当日行う処置などを確認しておくため、紙カルテや電子カルテを見ておくのです。前日や前々日が休みだった場合は、2日間分のチェックが必要になることから、前残業の時間を増やす看護師も少なくありません。
前残業がある理由としては、始業時間になると情報収集をしている時間がないことが挙げられます。始業時間になると申し送りが始まり、それが終わるとすぐに業務を開始しなければならず、始業時間の開始前に情報収集をやらざるを得ないのです。
一方、後残業とは就業時間の後に行う残業のことを指します。例えば、看護記録の作成や申し送りのための内容確認などです。仕事中は忙しく看護記録が書けないケースもあり、申し送りにも時間がかかるケースがあります。
看護師は引き継ぎしなければならないため、申し送りするのが一般的です。詳しい内容を求められた場合は、確認する工程も挟むでしょう。自分の仕事は、すべて自分の出勤中に終わらせておく文化だからです。確認のためにあちこちに連絡しますが、返答がない場合は待たなければなりません。