看護師の働き方改革としては、すでに多くの職場で具体的な取り組みを行っています。まず1つ目が、ICTの導入でしょう。ICTとは、業務効率化や生産性アップに向けたIT化のことです。
これまで手書きだった紙カルテを電子化したり、業務用にSNSで情報をシェアしたりなどの対策が挙げられるでしょう。そのほかにも、音声入力アプリの導入、スマホやタブレットから電子カルテへアクセスできるシステムの構築といった、さまざまな取り組みが行われています。
また、残業時間の改善も一つです。慢性的な看護師不足に陥っている職場では、なかなか一朝一夕での改善は難しいかもしれません。しかし、働き方改革によって残業時間の上限が規定されたため、今後はすべての職場で適切な対策を講じる必要があります。
残業時間を減らす取り組みとしては、医療ロボットの導入やAIを活用した業務効率化などです。タイムカードや電子カルテをより使いやすく工夫することが、看護師の業務負担の軽減にもつながっています。
そして、看護師に多様な働き方を導入するのも、働き方改革の一環です。看護師の資格を持っていても、過酷な労働環境では働けないという人は少なくありません。しかし、多様な働き方を認めることで、看護師の資格を生かして働きたい人が増え、職場環境の向上にもつながるのです。
例えば、短時間だけ働くパート・アルバイトの看護師を採用することが挙げられます。そのほか、夜勤免除や夜勤専従、フリーランスで仕事を掛け持ちしたい看護師の受け入れなどです。