看護師が残業することで発生する問題はいくつかあり、まず挙げられるのが過労死です。患者の健康や生死に直接的な関わりを持つ看護師の仕事は、そのほかの一般的な業種とは異なる過労死ラインが設定されています。
看護師の場合、月の残業時間が60時間を超えると、過労死ラインを超える劣悪な残業時間と判断されるのが実態です。しかし、看護師の人材不足をはじめとするさまざまな理由から、過労死ラインを超えた残業時間を余儀なくされている人も少なくありません。看護師全体で見てみると、全体の0.8%程度もいるのです。
もし職場の残業が多すぎて手に終えないようであれば、まずは看護師長や看護主任などに相談してみましょう。また、看護師の資格を生かして、残業が少ない職場へ転職する方法も賢明な手段と言えるかもしれません。
残業代についても問題として挙げられることが多く、残業に対して正当に残業代が支払われる職場は、全体の30%程度しかないのです。つまり、残りの70%程度の看護師は、多かれ少なかれサービス残業をしていることになります。
看護記録の作成や急患など、残業の理由はさまざまです。研修や勉強会は残業ではないと定義する職場もありますが、職場の指示で参加する場合は本来残業とカウントされなければなりません。どのような場合でも、残業すれば残業代が発生するべきという点は理解しておきたいものです。残業代の未払いに対して職場で適切に対応してもらえない場合には、弁護士に相談してみるのも良いでしょう。